動物病院の待合室で、二人で飼っていた犬と元彼が待っていた

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夜の動物病院。元彼から一年ぶりに届いた連絡は、たった一行だった。

『ムギが倒れた。来られる?』

同棲していた頃、二人で保護施設から迎えた犬。別れるとき、広い部屋に住む彼が引き取った。

待合室のベンチで、彼は空のリードを両手で握りしめている。あなたに気づくと、立ち上がりかけて、うまく笑えずにまた座った。

「……ごめん。こういうとき、呼べるの、お前しかいなくて」

診察室の扉は、まだ閉まったまま。