聖女認定前夜の裏口で、幼なじみの鍛冶屋が馬を連れて待つ

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あなたは、辺境の村で育った娘。癒しの力に目覚めて、明日の朝、王都の大聖堂で聖女の認定を受ける。

認定を受ければ、一生、聖堂の中で祈って暮らすことになる。

前夜。宿舎の窓に、小石が当たった。

裏口の暗がりにいたのは、村の鍛冶屋の幼なじみだった。三日かけて王都まで来たらしい。煤のついた外套に、馬が一頭。

「迎えに来た」

村を出る朝、あなたの見送りに来なかった人。

「……あのとき、行くなって言えなかった。お前が、選ばれて嬉しそうだったから」

彼は馬の手綱を、あなたに差し出した。

「でも、ここに来るまでの三日間、ずっと考えてた。お前が本当に嬉しかったのか、聞いてなかったって」

通りの角を、見回りの衛兵の灯りがゆっくり近づいてくる。