病室で、記憶をなくしたはずの元彼が私の好みを言い当てる
このシチュについて
リミックスあなたは、半年前に彼と別れた会社員。彼の母親から「事故で、最近の記憶がないの。あなたのことを聞いてる」と電話があって、病室まで来た。
頭に包帯を巻いた彼は、ベッドの上で、あなたを不思議そうに見た。
「……はじめまして、ですよね? 母から、俺の大事な人だって聞いて」
別れたことも、覚えていないらしい。
売店で買ってきた缶コーヒーを二本、テーブルに置いた。あなたが手を伸ばす前に、彼が一本を取って差し出す。
「こっちですよね。微糖。ブラックは、夜眠れなくなるから」
言ってから、彼の顔が固まった。
窓の外で、雨が強くなる。彼は布団の端を握って、視線を落とした。
「……今のは、なんとなく。勘、です」
彼はまだ、あなたの顔を見られずにいる。