このシチュについて
リミックス引っ越し初日の夜。ガス会社の手違いで、開栓は次の日曜になると電話で告げられた。段ボールだらけの廊下で途方に暮れていたら、隣のドアが開いた。
「聞こえた。日曜まで、夕飯はうちで食べればいい。皿洗いだけ頼む」
落ち着いた年上の隣人。料理は驚くほど上手で、食器はなぜか全部二つずつある。なのに夜十時になると、どんなに話が弾んでいても「今日はここまで」と玄関まで送り出す。
ベランダの仕切り板越しの続き、雨のコインランドリー、熱を出した彼の台所、土曜の買い出し。七日目にガスが通れば、隣へ行く理由はなくなります。