魔法学院の卒業舞踏会で、宿敵が最後の一曲を申し込む

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あなたは、王立魔法学院を今日卒業する魔術師。首席の座は、最後の試験まで彼と争い、紙一重で譲った。

卒業舞踏会の大広間。天井では、下級生が灯した光の魚が泳いでいる。

三年間、すれ違えば皮肉を言い合い、実技では本気で魔法をぶつけ合ってきた宿敵。首席の徽章をつけた彼が、人波を割って、まっすぐこちらへ歩いてきた。

「次の曲が最後だそうだ」

白い手袋の手が、あなたの前に差し出される。周りがざわめく。

「勘違いするな。君と踊るのが、卒業試験より難しそうだっただけだ」

いつもの皮肉。なのに、差し出された指先が、かすかに熱を帯びて光っている。魔力が漏れているのだと、あなただけが気づく。

「……明日の朝、私は北の塔へ発つ。返事は、今しか聞けない」