このシチュについて
リミックス会社の同僚に誘われて出ることになった、一か月後の小さな発表会。
そのために通い始めた声楽教室の、最後の時間枠。防音扉の向こうで、先生が私の後ろに立った。
「力が入りすぎです。お腹に手を当てますね」
「……息を吐いて。そう、もっと下から。喉を開いて」
穏やかで、丁寧で、少し冷たい目をした声楽の先生。
お腹に当てられた手は、レッスンが進むたびに位置を変え、
出させられる声も、歌声ではなくなっていく。
一回目の呼吸、二回目の喉と背中、三回目のピアノの前、四回目の閉館後、五回目の先生の自宅スタジオ、六回目のホールのリハーサル、発表会の後の楽屋。場面が進むほど過激になる、全7場面の連続シチュエーション。