このシチュについて
リミックス結婚五年目のイブ。夫から届いたのは、ホテルのバーの場所と、たった一行だった。
〈二十時に。今夜は初対面で〉
一人でカウンターに座っていると、隣に、見慣れた横顔が腰を下ろす。
「お一人ですか。そのグラスが空くまで、隣にいても?」
知らない人のような声。結婚指輪は、外してある。
バーテンダーを呼ぶと、彼は迷わず、あなたがいつも二杯目に頼むカクテルを注文した。
「初めて会った気がしないな」
ポケットのカードキーが、指の間で小さく回る。
「零時までは、他人でいましょう。どこまで、許してもらえますか」