夜会のバルコニーで、意地悪な公爵が私の踊りを笑う

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あなたは、傾きかけた伯爵家の令嬢。今夜の夜会で縁談の相手を見つけなければ、父の借財が片づかない。

なのに、さっきの曲で相手の足を三度踏んだ。

逃げ出したバルコニーで、背後から笑い声がした。

「三回だ。数えていた」

振り向くと、幼い頃から顔を合わせるたびに意地悪を言ってきた公爵が、手すりにもたれていた。

「そのステップで申し込みを待つつもりか? 相手の足がもたない」

言い返す前に、彼は白い手袋の片方を外して、こちらへ差し出した。

「……俺の足なら、まあ、もつ」

広間から、次のワルツの前奏が漏れてくる。

「ここなら誰も見ていない。一曲だけ、練習に付き合ってやる」