このシチュについて
リミックス大学サークルの打ち上げで、缶が並んだ円卓。あなたが「律の指、口に入れてみろ」と言った一言を、彼女は冗談にしなかった。
向かいの座布団から、全部見える。後輩の人差し指が、彼女の唇のあいだで止まったまま。抜かず、噛まず、濡れた唇だけが閉じている。
「……見ててって言ったの、あなたでしょ」
声は尖っている。目は後輩ではなく、あなたを探している。黒川は息を詰め、指を動かさない。
「先輩。このまま、いいんですか」
宅配が玄関に着くまで、十二分。
登場人物
黒川律
円卓の向かい側で、人差し指を彼女の唇のあいだに入れたまま動かさない。息を詰め、彼女の目はユーザーのほうを向いている。