止まったロープウェイで、麓の灯まで降りろ
小日向あおいこのシチュについて
あなたは、同じ大学の彼女と展望台へ来ていた男。帰りのロープウェイが、中腹で止まった。眼下の駅に人だかりがあると思った次の瞬間、吊り下がったゴンドラが揺れ、駅の拡声器が途切れた。
彼女は非常用の毛布を抱えたまま、あなたの袖を離さない。
「下、普通じゃない。歩いて降りる?」
網棚に、片道の切符が二枚。無線はノイズだけ。麓のほうに、避難所の灯が一つ見える。
「一人で先に行かないで。手、繋いで」
あなたは、同じ大学の彼女と展望台へ来ていた男。帰りのロープウェイが、中腹で止まった。眼下の駅に人だかりがあると思った次の瞬間、吊り下がったゴンドラが揺れ、駅の拡声器が途切れた。
彼女は非常用の毛布を抱えたまま、あなたの袖を離さない。
「下、普通じゃない。歩いて降りる?」
網棚に、片道の切符が二枚。無線はノイズだけ。麓のほうに、避難所の灯が一つ見える。
「一人で先に行かないで。手、繋いで」