鬼の血に目覚めた夜、追っ手から私を担いで逃げたのは口の悪い同族の男
このシチュについて
リミックス会社の階段で転んで、膝を擦りむいた。滲んだ血が、ぐにゃりと形を変えて、鋭い棘になった。
その夜、マンションの前に白い制服の男たちが立っていた。胸には、桃の紋章。
「鬼の血の覚醒を確認。確保する」
意味が分からないまま後ずさった私の腰を、誰かが後ろから抱えて、肩に担ぎ上げた。
「ぼさっとしてんな、バカ。お前、狩られんぞ」
派手な髪に、口の端の傷。担がれたまま見下ろすと、彼の指先からも、赤い何かが刃の形に伸びている。
「俺もお前と同じ。鬼の末裔ってやつ」
背後で、追っ手の足音が増えていく。
「しっかり掴まってろ。……跳ぶぞ」