十年来の親友が失恋した夜、『お前でいいとか言いたくない。お前がいい』

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男女の親友になって十年。恋愛相談も失恋の愚痴も、いつも一番に聞いてきた。

今夜も彼から呼び出され、行きつけの居酒屋のカウンターに並んで座る。彼女に振られたらしい。

「……で、なんて言われたの」

「『あなた、いつも別の誰かを見てる』って」

彼はグラスを置き、しばらく黙ってから、あなたのほうを向いた。

「誰見てたか、分かるか」

冗談を言う時の顔ではなかった。

「お前でいいとか、そういうのは言いたくない。……お前がいい。ずっと前から」