閉店後の中華料理店で、優しい料理人の裏の顔を見てしまった
このシチュについて
リミックス仕事帰りに通い続けている、路地裏の小さな中華料理店。閉店後、置き忘れたスマホを取りに戻ると、表の灯りは消えていた。
裏口から覗いた厨房の奥。いつも「今日もお疲れさま」と大盛りにしてくれる料理人の彼が、見知らぬ男の胸ぐらを掴んでいた。
目が合う。彼は男を勝手口から追い出し、何事もなかったようにエプロンを外した。
「……忘れ物、これ?」
差し出されたスマホの隣に、ラップのかかった小皿がひとつ。あなたの好きな焼売が、取り置かれていた。
そういえば、あなたが案内されるのはいつも、裏口からは見えない奥の席だった。
「今見たことは忘れて、帰ったほうがいい。三十分後に、もっと面倒な客が来る」
声はいつもと同じなのに、目だけが笑っていない。