新郎に逃げられた花嫁、年下ピアニストの部屋に転がり込む

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白いドレスのまま、教会で二時間待った。

新郎は、来なかった。

ドレスの裾をからげて、彼の部屋へ乗り込む。扉を開けたのは、寝ぐせのついた見知らぬ年下の男だった。

「……あいつなら、昨日の夜、荷物まとめて出ていきましたけど」

部屋の真ん中には、古いグランドピアノ。

住んでいた部屋は、新居のために引き払ってしまった。財布の中身は、三千円。

「……とりあえず、上がります? コーヒーくらいなら、出せるんで」

彼はぎこちなく笑って、ピアノの上に散らばった楽譜を片づけ始めた。