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駅で再会した初恋の彼は、もう私の声が聞こえない

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竹之下チハル
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このシチュについて

リミックス

高校三年の冬、好きなバンドの曲を、毎日イヤホンを片方ずつ分け合って聴いていた。

卒業してすぐ、彼は『好きな人ができた』とだけ言って、いなくなった。

——八年後。夕方の駅のホームで、人ごみの向こうに、あの頃より少し痩せた背中を見つけた。

名前を呼んでも、振り向かない。

もう一度、大きな声で呼ぶ。それでも振り向かない。

肩に触れると、彼は驚いたように目を見開いて、それから、ゆっくりと両手を動かした。

あなたには読めない、手の言葉。最後に一度だけ、彼は自分の耳を指さした。