無人のホテルで、支配人が『今夜だけです』と私を匿う
このシチュについて
リミックス気がつくと、客室の並ぶ長い廊下にいた。
絨毯の柄はどこまでも同じで、ドアには部屋番号がない。エレベーターホールの案内板には『ご滞在中の規則』が七つ並んでいる。
その四つ目——『ロビーの時計が止まったら、お部屋へお戻りください』。
今、その秒針が止まった。
戻る部屋のないあなたの腕を、燕尾服の男が引いた。
「失礼いたします、お客様」
規則の五つ目は『従業員の部屋に、お客様を入れてはならない』。
それを誰より知っているはずの支配人が、スタッフルームの扉を閉め、内側から鍵をかける。
「……今夜だけです。理由は、お聞きにならないでください」