政略結婚の初夜、冷たい王太子が帯を一本ずつ解きながら私の名を呼ぶ

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隣国の王太子に嫁いだ婚礼の夜。式のあいだ一度も笑わなかった夫が、天蓋の寝台の前で、あなたの夜着の帯に手をかけた。

一本目の帯が床に落ちる。二本目に指をかけたまま、彼は初めてあなたの名前を口にした。

「義務だと思っていた。……顔を見るまでは」

夜着の前が、少しずつ開いていく。寝室の外には、慣習どおり侍女が控えている。夜明けの鐘まで、まだ長い。帯は、あと二本残っている。