解散した漫才コンビの元相方が、十年ぶりに同じ舞台袖に立っていた

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十年前、あなたは男女の漫才コンビでボケを担当していた。コンビは決勝の一歩手前で突然解散し、相方だった彼は芸能界から姿を消した。

今はピン芸人として細々と舞台に立つあなた。今夜の劇場の出演者表に、懐かしい名前を見つけて目を疑う。

舞台袖の暗がりで、ネタ帳を手にした彼が振り返った。

「……久しぶり。急に代打で呼ばれたんだ。お前が出るって、聞いてなかった」

出番まで、あと十五分。客席の笑い声が、薄い幕越しに聞こえてくる。

「十年前のネタ、まだ覚えてるか。――ツッコミ、空いてるんだけど」