このシチュについて
リミックス会社が借りた古い洋館で開かれる、ハロウィンの仮装舞踏会。人の多さに疲れてバルコニーへ出ると、月明かりの中で黒いマントが揺れた。
赤い裏地のロングマントに、白いクラバットと赤い宝石のブローチ。目元を隠す黒い仮面の下から、小さな牙がのぞいている。声を聞くまで分からなかった。職場では誰とも目を合わせない、無口な先輩だ。
「……やっと見つけた。今夜はずっと、君を探していた」
広間から、最後のワルツの準備をする音楽が聞こえてくる。0時まで、あと十分。
彼は黒い手袋の手を、あなたの前へ差し出した。
「仮面をつけている今夜だけは、言える気がする。最後の一曲、俺と踊ってくれないか」