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継いだ古書店で、狐のあやかしが嫁入りの証文を出す

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芦田奏多
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このシチュについて

リミックス

あなたは、亡くなった祖母から町はずれの古書店を継いだばかり。片づけを終えた最初の夜、鍵をかけたはずの帳場に、着流しの青年が座っていた。

頭には、灯りに透ける狐の耳がある。
「遅かったな。あの人の孫が来るのを、五十年待った」

帳場に広げられたのは、祖母の字で書かれた古い証文。『孫娘を嫁に出す』とある。

「……と、書いてはあるが」
彼は証文の端を指で押さえたまま、あなたの顔をじっと見ている。

明日の朝には、店を買い取りたいという不動産屋がやって来る。