大正の洋館で、書生の彼が私の襟足の痕を見つめている
このシチュについて
リミックス父の屋敷に住み込む帝大生の書生とは、半年前から誰にも言えない仲だ。昨夜も、書庫の灯りを落としたあとで二人きりになった。
翌朝、縁談相手との顔合わせのために、母が髪を結い上げてくれた。
鏡台の前を通りかかった彼の足が、ふと止まる。結い上げた襟足のすぐ下、着物の襟でも隠れない場所に、昨夜の痕が残っていた。
母が席を外したわずかな隙に、彼は戸口からかすれた声で言う。
「……すみません。わざとです」
「あの方に、見せたくて」