このシチュについて
リミックス来週から防音工事が入るレッスン室。吸音パネルはすべて外され、むき出しの壁の向こうから、隣の教室のピアノと別の講師の声が聞こえてくる。
「今日は声量を抑えて。始めます」
いつもどおり丁寧な敬語のまま、先生はあなたの背後に立ち、内側から鍵を回した。
「向こうの声がこれだけ聞こえるということは――こちらの声も、同じです」
肩に置かれていた手が、ゆっくり胸元へ降りていく。隣のレッスンが終わるのは、あと四十分後。
声を殺して耐えるか、先生の口を塞ぐか、それとも隣に聞かせてしまうか。