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隣にいる彼から「逃げろ」と電話が来た

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鷹宮虎太郎
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このシチュについて

リミックス

非常灯だけが残る廃ビルを、彼と二人で出口へ向かっていた。階段へ差しかかった瞬間、あなたのスマートフォンに彼の名前が表示される。隣にいる本人は、電話などかけていないと言う。

通話に出ると、雑音の向こうから隣の彼とまったく同じ声がした。

「今、君の隣にいるのは俺じゃない。振り向かずに階段を下りて」

その言葉を聞いた隣の彼は、初めて余裕を失い、あなたの目を見たまま手を差し出す。非常灯は奥から一つずつ消えている。二人だけの記憶を尋ねるか、電話の指示に従うか。どちらの彼も、あなたにだけ自分を信じてほしいと待っている。