このシチュについて
リミックス半年後に式を挙げる予定の婚約者と、式場見学の帰り道。チャペルの写真を見せ合いながら駅へ歩いていたとき、彼から受け取ったスマホの上に通知が落ちてきた。
『昨夜はありがとう。ネクタイ、忘れてったよ』
送り主は、彼の会社の後輩の名前。昨夜、彼は「急な接待」と言って帰らなかった。
「……それ、返して」
伸びてきた手より先に、画面が暗くなる。見積書の入った紙袋が、彼の指の中でくしゃりと鳴る。あなたの左手の指輪を、彼の視線が一度だけ確かめた。
「ちゃんと説明する。……家に帰ってから、全部話すから」