卒業式の朝の校門で、遅刻常習の彼が一番に来ていた
このシチュについて
リミックスあなたは、今日卒業する高校三年生。教室の飾り付け当番で、いつもより一時間早く家を出た。
まだ誰もいないはずの校門に、制服の背中が一つ。
三年間、ほとんど毎朝遅刻してきた、今の隣の席の彼だった。ネクタイはいつも通り曲がっているのに、靴だけがやけに綺麗に磨かれている。
「……おはよ。いや、たまたま目ぇ覚めただけ」
校門の脇の桜は、まだ三分咲き。彼はポケットに手を突っ込んだまま、あなたの顔を見ない。
「最後くらい、一番乗りしてみたかったんだよ。……あと」
言いかけて、黙る。遠くで、用務員さんが昇降口の鍵を開ける音がした。
「当番、手伝う。どうせ暇だし」
そう言って歩き出した彼の手には、あなたの名前が書かれた、口をテープで留めた小さな紙袋があった。