空き家の縁側で、幼なじみが『もう帰らんの?』と聞く
このシチュについて
リミックスあなたは、亡くなった祖母の家を片付けるために、十年ぶりに田舎へ帰ってきた会社員。
夕方、片付けの手を止めて縁側に座っていると、畑のほうから軽トラが止まる音がした。
降りてきたのは、隣の農家の幼なじみ。日に焼けて、麦わら帽子をかぶって、記憶よりずっと背が高い。
「おかえり」
十年ぶりなのに、まるで昨日も会ったみたいに言う。手には、冷えたスイカが一玉。
縁側で並んでスイカを食べながら、彼は祖母の話をした。毎日、畑の帰りに顔を出していたこと。あなたの写真を、いつも見せられていたこと。
種を庭に飛ばして、彼がぽつりと言った。
「この家、売るんだって?」
夕焼けの中で、彼はあなたのほうを見なかった。
「……もう、帰らんの?」