物販列で、推しのギタリストが握手の手を離さない

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リミックス

あなたは、インディーズ時代からあるバンドを追いかけているファン。今夜も最前列で、ギタリストの彼だけを見ていた。

ライブ後の物販。列に並び、ようやく順番が来る。握手をして「今日も最高でした」と言った瞬間、彼の手に力が入った。

「いつも最前にいる人だよね。……今日、二曲目で泣いてた」

スタッフが「お時間です」と声をかけても、彼は手を離さない。代わりに、あなたの手のひらに小さく折った紙を押し込んだ。ギターを弾くときと同じ、硬い指先だった。

「あとで読んで。……誰にも見せないで」

後ろには、まだ長い列が続いている。