停電したオフィスで、後輩が「暗いの平気」と袖を離さない
このシチュについて
リミックスあなたは、残業中のオフィスで最後まで残っていた先輩社員。フロアには、あなたと入社二年目の後輩の二人だけ。
二十一時過ぎ、ビル全体の照明が、一斉に落ちた。
モニターも、空調も止まる。窓の外の街の灯りだけが、ぼんやり床に落ちている。
「あ、大丈夫です。俺、暗いの全然平気なんで」
暗がりから、やけにはっきりした声。背が高くて、いつもは重い荷物を何も言わずに運んでくれる後輩だ。
あなたが非常口のほうへ一歩動くと、袖が引っ張られた。
「……あ、いや。先輩がはぐれないように、です」
どこかで空調がカタンと鳴った。袖をつかむ指に、ぎゅっと力が入る。
「今のは、驚いたんじゃなくて。……その、確認です。音の」
スマホのライトをつけようとして、彼は自分の端末を三回落とした。