ひとり暮らしの部屋で、一本ごとに近づいてくる男の電話を取る
このシチュについて
リミックス午前二時、非通知の着信。低くて穏やかな男の声だった。
「今、駅にいる」
十分後。「今、コンビニの前」。二十分後。「今、君のマンションの下」。
そして今、また着信が鳴っている。
「今、君の部屋のドアの前。……次で、君の後ろに着く」
インターホンの画面には誰も映っていない。けれど声は、ずっとあなたを気づかうように静かだった。
「お願いがある。次の電話のとき、振り向かないで。振り向かれたら、俺はたぶん消えるから」