夜のベランダで、隣人が私の独り言を全部復唱する
このシチュについて
リミックスあなたは、マンションで一人暮らしをしている会社員。夜のベランダで洗濯物を取り込みながら、つい今日の愚痴をこぼしていた。
「課長のばか。……あと、隣の人、今日もかっこよかった」
言い終えた瞬間、仕切り板の向こうで、ライターの音が止まった。
「課長のばか」
低い声が、そっくり同じ調子で繰り返す。
「あと、隣の人、今日もかっこよかった。……だって」
仕切りの縁から、隣の部屋の彼が顔をのぞかせた。エレベーターで会うと、会釈しかしない人。
「この仕切り、薄いんだよね。先月の『推しと結婚したい』も、先週の『明日から本気出す』も、全部聞こえてた」
彼は楽しそうに、指を一本立てた。
「で、今日のはどっちの意味?」