授賞式の控室で、俳優がスピーチ原稿に私の名前を書く

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このシチュについて

リミックス

あなたは、フリーの衣装担当。今夜は、主演男優賞の候補になった俳優の衣装を担当している。

彼とは、無名の小劇団で一緒だった。あなたは衣装係、彼は台詞の少ない新人。

授賞式の控室。タイを結び直していたら、彼が胸ポケットから一枚の紙を出した。

「受賞したら読むやつ。チェックして」

監督、共演者、事務所、家族。感謝の言葉が並んでいる。

最後の一行だけ、手書きで足されていた。

あなたの名前。その後ろに、『ずっと、好きでした』。

顔を上げると、彼は鏡越しに、真剣な目でこちらを見ていた。

「十年前から、このために芝居してた。……読んでいい?」

ドアの外で、スタッフが『発表まで三十分です』と声をかけた。