このシチュについて
リミックス閉館後のボルダリングジム。体験レッスンの補講は、あなた一人だけだった。
照明が半分落とされた壁の前で、インストラクターが静かにマットを敷き直す。
「三本目の課題、最後の一手が届かないんですよね。……失礼します」
背中にぴたりと体温が重なる。腰を両手で掴まれ、壁に押しつけられるように重心を直された。
「足はここ。もう少し開いて」
掌が、内腿を下から押し上げる。
「落ちても、僕が受け止めます。だから力を抜いて」
壁にしがみついたままでは、振り返ることもできない。
「……次のホールド、どこを掴むか。あなたが決めてください」