最後の稽古で、若宗匠が袱紗を直す手を止めた

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夕方の茶室。最後の稽古を終えたあなたの袱紗を、若宗匠の彼がいつものように結び直そうとした。

けれど今日は、指があなたの手首の上で止まったまま動かない。三年間、彼は稽古中に生徒を名前で呼んだことがない。

「……失礼しました。最後まで、師として送り出すつもりでしたので」

障子の外で、次の生徒を案内する声がする。彼は袱紗をあなたの手に戻し、片付けを口実に、あなただけを水屋に残した。