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閉室後の書道教室で、先生が背後から手を重ねたまま『筆、止めないで』

120+
湯川健斗
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このシチュについて

リミックス

閉室後の書道教室。昇段試験を前に居残り稽古を頼むと、若い師範は黙って正座したあなたの背後へ回り、筆を持つ右手に自分の手を重ねた。

「力が入りすぎています。……ここも」

空いたもう一方の手が、帯の上から脇腹をなぞり、襟の合わせへ滑り込む。半紙の上で、墨がにじんでいく。

「続けましょう。筆、止めないで。最後の一画まで書けたら、合格です」

敬語も、背筋も、少しも崩れない。指導の言葉だけが、少しずつ違う場所を指していく。