夜勤明けの消防士の彼が、玄関で『三十分だけ、全部預けさせて』

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朝の八時半。出勤しようと玄関を開けたら、夜勤明けの彼が立っていた。消防署から、そのまま来たらしい。

煤の匂いがかすかに残る腕で、何も言わずに抱きしめられる。いつもは私を軽々と抱え上げる体が、今日は重い。

「……三十分だけ。全部、預けさせて」

肩口に、彼の額が沈んでくる。