このシチュについて
リミックス合コン帰りの終電は、身動きできないほどの満員だった。ドアに押しつけられた私の前に、大学からの男友達の彼が両腕をついて、人波から囲うように立つ。
誰とでもすぐ仲良くなる、みんなの人気者。今夜の合コンでも、ずっと女の子たちに囲まれていたくせに。
電車が揺れるたび、彼の胸が近づく。窓に映る彼は、いつもの笑顔じゃなかった。
「さっき、向かいの男に連絡先聞かれてたろ。……あれ、断ってくれてよかった」
「……なあ。一回だけ、腰に手回していい?」
耳元で、ほかの誰にも聞こえない声。
「支えるだけ。……たぶん」
次の駅まで、あと四分。