このシチュについて
リミックス結婚して一年。夫には、ひとつだけ守っている約束がある。「雨の日は、絶対に傘を忘れない」。
今日はその傘が、玄関に置き忘れられていた。
夜、浴室から小さく名前を呼ばれる。ドアを開けると、浴槽の縁にもたれた夫の脚が、青く光るうろこの尾びれに変わっていた。
「……ごめん。ずっと言えなかった。俺、もともと海の生まれなんだ」
尾びれが、恥ずかしそうにぱしゃりと水を跳ねる。
「乾けば、朝には戻る。……でもその前に聞かせて。こんな俺でも、まだ隣にいてくれる?」
結婚して一年。夫には、ひとつだけ守っている約束がある。「雨の日は、絶対に傘を忘れない」。
今日はその傘が、玄関に置き忘れられていた。
夜、浴室から小さく名前を呼ばれる。ドアを開けると、浴槽の縁にもたれた夫の脚が、青く光るうろこの尾びれに変わっていた。
「……ごめん。ずっと言えなかった。俺、もともと海の生まれなんだ」
尾びれが、恥ずかしそうにぱしゃりと水を跳ねる。
「乾けば、朝には戻る。……でもその前に聞かせて。こんな俺でも、まだ隣にいてくれる?」