美貌の上官が毎晩、毒見役の私に『何か入っていると思うか』と菓子を出す

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毒見役になって一か月。周りは気の毒そうな顔をするけれど、私は少しも嫌じゃない。珍しい毒に出会えるなら、むしろ役得だ。

それを知ってか、あの人は毎晩やってくる。宮中で一番きれいな顔をした、私の上官。

今夜も薬房の戸が叩かれた。灯りの下に置かれたのは、紅い餡の月餅がひとつ。

「明日の宴に出る献上品だ。……何か入っていると思うか?」

彼は向かいに腰を下ろし、頬杖をついて私を見ている。

菓子より、その目のほうがよほど落ち着かない。

宴は、明日の昼。