元不良の彼が、最終審査の前夜に私だけをレッスン室へ呼んだ
このシチュについて
リミックス夜十一時、メッセージは一行だけだった。『スタジオ来い。今すぐ』
貸しスタジオの鏡張りの部屋で、彼は汗だくのまま床に座り込んでいた。元は街で一番手のつけられない不良。今は「ワル限定」のアイドルオーディションで最終審査まで残った候補生。そしてあなたは、ここまで彼の振付を見てきた担当トレーナーだ。
「振りは全部入ってる。……問題はこっちだ」
彼は鏡に向かって、ぎこちなく口角を上げてみせる。どう見ても、喧嘩を売っている顔だった。
「笑い方、教えろ。お前の前でしか練習できねえ」
候補生とトレーナーの私的な接触は、見つかれば失格。明日の朝が最終審査で、受かれば彼はこの街を出ていく。