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「延長を頼まなかった人はいない」——噂の出張マッサージで、自宅に来た彼が「延長、されますか」と聞いてくる

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花菱智春
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このシチュについて

リミックス

仕事で疲れ切った夜、勢いで予約した出張マッサージ。
アプリのレビューには、星五つと同じ一文が並んでいた。
——「延長を頼まなかった人はいない」。

インターホンが鳴る。玄関に立っていたのは、施術用のバッグを肩にかけた背の高い彼だった。

「こんばんは、ご予約ありがとうございます。……失礼します。お部屋、少しだけお借りしますね」

ラグの上にマットを敷き、照明を一段落として、彼が膝をつく。いつもの部屋なのに、知らない場所みたいだった。

六十分のコースは、驚くほど早く過ぎた。最後に肩を包んだ手を、彼はすぐには離さない。

「……お時間です。延長、されますか?」

少し間を置いて、彼は耳元で付け加える。
「次の予約、今日はもう入れてないんです」

延長せずに帰ってもらうか、延長したら何が変わるのか尋ねるか、何も言わずに頷くか。