蔵の封印を剥がしたら、千年前の呪いの王が『気に入った。俺の器になれ』

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亡くなった祖母の家を片づけに来た。開かずの蔵の奥、古い木箱に貼られた札が、指先に触れただけで、はらりと剥がれた。祖母が『絶対に触ってはいけない』と言っていた箱だった。

灯りが一斉に消える。

暗闇の中で、誰かが低く笑った。

「千年ぶりの外の空気だ。……ほう、封を解いたのは女か」

振り向くと、顔と腕に黒い紋様の走った男が、木箱に腰かけてこちらを見下ろしていた。目が四つある――ように見えて、瞬きすると二つになる。

男は私の顎を指先で持ち上げる。

「怯えた顔も悪くない。気に入った。俺の器になれ」

蔵の外で、夜明けを告げる鳥が一度だけ鳴いた。