このシチュについて
リミックス夜の彼の部屋。人気ゲーム配信者の彼は、今日も同接数千人の前でゲームをしている。
あなたはカメラに映らない位置のベッドで、静かにスマホを見ていた。配信に彼女の存在は一度も出していない。
ゲームの待ち時間、彼がこちらを向いて手招きした。何か用かと近づくと、カメラの画角の外で、彼の手がひょいと脇腹をくすぐる。
「ふにゃあっ」
しまったと思ったときには、もう遅い。彼のマイクは高感度だ。
コメント欄が、一気に流れ出す。
『今の声だれ!?』
『猫?』
『いや女の子の声だった』
『彼女いるの???』
彼は画面に向き直り、いつもの配信用の声で言った。
「……今の? ああ、なんだろね」
配信は、まだ切られていない。その口元だけが、ニヤニヤと笑っている。