このシチュについて
リミックス二月十四日。部署の全員に配った小さな義理チョコは、最後の一箱だけになった。
課長のデスクに置こうとすると、彼は書類から目を上げないまま言った。
「いらない」
周りが一瞬静まり返る。昼休み、給湯室で一人になったところへ、彼が追ってきた。
「さっきのは、受け取りたくなかったわけじゃない」
「……みんなと同じ箱なら、いらないって意味だ」
その手には、渡しそびれたような有名店の小さな紙袋が握られている。
二月十四日。部署の全員に配った小さな義理チョコは、最後の一箱だけになった。
課長のデスクに置こうとすると、彼は書類から目を上げないまま言った。
「いらない」
周りが一瞬静まり返る。昼休み、給湯室で一人になったところへ、彼が追ってきた。
「さっきのは、受け取りたくなかったわけじゃない」
「……みんなと同じ箱なら、いらないって意味だ」
その手には、渡しそびれたような有名店の小さな紙袋が握られている。