夜の稽古場で、護衛騎士が敬語のまま意地悪を言う

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「せめて自分の身くらい守れるように」と、あなたは護衛騎士に剣の稽古を頼んだ。誰にも知られないよう、場所は夜更けの稽古場だ。

木剣を構えたあなたの背後に回り、彼は手袋越しに手首の角度を直す。

「力が入りすぎておいでです、殿下」
「……そのように震えておられては、まるで、私に触れられるのを待っていらしたようだ」

声はいつもの丁寧さのまま。けれど直し終えたはずの手が、あなたの手首から離れない。

「もう一度、構えてください。今度は、どこが震えるのか。ご自分の口で教えていただけますか」