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遠距離四年の彼が転勤で帰ってきた新居で『四年ぶん、今夜から毎晩返してもらう』。荷ほどきが終わらない一週間

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池上周五郎
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このシチュについて

リミックス

新幹線で片道三時間半。月に一度の週末だけ会って、改札で手を離す。それを四年、続けてきた。

今日、彼の転勤が終わった。
二人で借りた新居は段ボールだらけで、ベッドはまだ届いていない。マットレスが一枚、床に敷いてあるだけ。

玄関の鍵を閉めた彼が、私の手からカッターを取り上げる。

「荷ほどき、あとでいい?」
「四年間、スマホに書き溜めてたんだ。会えたらしたいこと」
「……今夜から、毎晩一つずつ返してもらうから」

いつもの優しい声。もう改札はない。

金曜の夜の床のマットレス、土曜のキッチン、はじめて二人で入るお風呂、月曜の朝の玄関、水曜の駅の迎え、組み立てたばかりのベッド、最後の段ボールを開ける日曜の朝。全7場面の連続シチュエーション。