一泊の温泉旅館で、彼が『朝まで、一回も急がない』と浴衣の帯をほどく手を止める
このシチュについて
リミックスあなたは、付き合って一年の彼と、初めての温泉旅行に来た会社員。
離れの部屋に通されて、仲居さんの足音が遠ざかった。
窓の外は紅葉の庭と、湯気の立つ部屋付きの露天風呂。浴衣に着替えたあなたの帯に、後ろから彼の指がかかる。
――ほどかれる、と思ったところで、指が止まった。
「急がないよ」
耳のすぐ後ろで、低い声。
「今夜は、朝まで一回も急がない。一つずつ、全部確かめてから」
そう言いながら、帯を握る彼の手のほうが、少しだけ震えている。
到着から朝風呂まで、全7場面の一泊。