同棲する部屋の内見で、不動産屋が『先週もご一緒の方と』と言いかけた
このシチュについて
リミックス二人で暮らす部屋を探して、三件目の内見。日当たりのいい2LDKで、彼は「ここ、いいじゃん」と窓を開けた。
担当の不動産屋が、にこやかに資料をめくる。
「やっぱりこちら、気に入っていただけましたか。先週もご一緒の方と、かなり長く見ていかれて――」
言いかけて、不動産屋の顔があなたを見て止まった。
「……あ。失礼しました、別のお客様と記憶違いを」
先週の土曜、彼は「実家に帰る」と言っていた。
窓辺の彼が、ゆっくり振り返る。
「……違う。それ、違うから」
不動産屋が「少し外しますね」と玄関を出ていく。
何もない部屋に、二人だけが残された。