部屋付きの露天風呂で、彼が『隣に声、筒抜けだって』

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あなたは、付き合って一年半の恋人と、初めての温泉旅行に来た会社員。

夕食のあと、部屋付きの露天風呂。湯気の向こうに、竹垣が一枚。

いつもは優しい彼が、二人きりになると、ときどき意地悪になる。

後ろから抱き寄せられて、肩にお湯をかけられた。

「……そういえば、仲居さんが言ってた。この竹垣の向こう、隣の部屋の露天なんだって」

耳元で、彼が笑う。

「声、筒抜けらしいよ」

言いながら、お湯の中の手は止まらない。脇腹をなぞって、腰骨のところで、わざとゆっくりになる。

竹垣の向こうで、ちゃぷ、と水音がした。気がした。

「我慢できたら、やめてあげる。……できなかったら、隣の人にも聞かせちゃうね」