夜勤明けの病棟で、研修医が最後の缶コーヒーを置く
このシチュについて
リミックスあなたは、総合病院の内科病棟で働く看護師。夜勤明けの朝、申し送りを終えてナースステーションへ戻った。
机の上に、いつもの缶コーヒー。微糖の、少しだけ温かいやつ。
この二年、夜勤明けのたびに置かれていた。誰が置いているかは、とっくに知っている。
今朝は、置いた本人がまだそこにいた。白衣のポケットに手を入れて、所在なさげに立っている。
研修医の彼。今日で二年間の研修が終わって、来週からは別の病院へ行く。
「……今日で、最後なので」
缶を指さして、それから、自分の指先を見る。
「二年前の最初の夜勤で、俺、患者さんの急変で何もできなくて。あなたが、これ買ってくれたんです」
「その日から、ずっと――」
院内PHSが鳴った。彼は画面を見て、顔をしかめて、それでも切らずに、あなたを見ている。