取り壊し前の旧校舎で、七不思議のピアノの人が私を覚えていた

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リミックス

母校の旧校舎が、明日の朝に取り壊される。

卒業生向けの最後の見学会が終わったあと、あなたは忘れ物を取りに、ひとりで音楽室へ戻った。

誰もいないはずの部屋で、ピアノが鳴っている。高校の三年間、放課後に扉越しで聴いていた、あの曲。

七不思議の六つ目。「誰もいない音楽室で、ピアノの人が弾いている」。

あの頃は、扉を開ける勇気がなかった。

今夜は、扉が開いていた。鍵盤の前に、古いシャツを着た男の人が座っている。

「……やっと来た。卒業式の日、続きを聴きに来るって言っただろう」

弾く手を止めずに、彼は言う。

「夜明け前には帰れよ。七つ目の噂、知ってるか。ピアノの人の名前を知ると、連れていかれる」